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建築基本法の制定へ検討会を設置

2011-01-13 (Thu) 15:41
2010年12月に建築基本法の制定を打ち出した馬淵国交相は、建築基準法、建築士法などの建築関連の抜本的な見直しのロードマップを2011年に明示するとした。

なぜ、今建築基本法なのか?馬淵国交相から提起された視点は、従来の手続き法とは一味違う味わいがある。
  1. 街づくりをどのように基本法の中で示すことができるか?(街づくり憲章)
  2. 人としての国民の生活を豊かにするうえで、基本法はどのような役割を果たさねばならないか?
  3. 建物の社会価値は何か?それに求められる性能は何か?自然や社会環境への負荷はどこまで許容されるか?
  4. 建築における3権分立(設計・施工・監理)をどのようにバランスさせるか?
  5. 雇用や景気対策の一翼を担う産業としての建築・建設を基本法でどのように位置づけるか?
  6. 社会資本としての建築をどのように整備・保存・維持・充実させるか?「建築」だけではなく、「良質な建築ストックを蓄積する」ための1本の縦糸で貫いた法体系とは何か?

新年早々1月11日には、「建築法体系勉強会」が発足した。会議は非公開で、勉強会の委員10人は全員が学識者で、業界団体を代表する委員はいない。「建築基準法の見直しに関する検討会」では、業界団体と弁護士委員の意見が対立し、最終的に両論併記の結論となった。新しい勉強会では、美辞麗句や単なる意見の開陳ではなく、これらの視点を踏まえた実のある議論をして、より抽象度の高いレベルでの方針を打ち立てて欲しいものだ。

一方、馬淵国交相は1月7日の記者会見で、建設産業再生の基本方針を打ち出した。その背景にある理念は、「そもそも地域の担い手である建設産業が市場原理で淘汰されていくのを放置してよいものか?」という危機意識から始まっている。その対策として、内容は不詳だが「地域維持型契約方式」の導入や、地域の維持に関する分野の入札方式を見直すなどの提案がなされている。

公共下水道や市長村道など、1950年代から整備された多くの社会資本が、今後更新期をむかえつつある現在、その担い手となる地域の建設・建築事業者の育成は猶予を許さぬ課題である。適正な仕事量の確保と事業者の体質改善は避けては通れない。従来型の利益誘導と談合体質は論外だが、発注者である行政側と請負側の事業者が対等な立場で公共事業のあるべき姿を地域毎に議論しあう場を設けることが先決だ。

国からの指導で地方の行政末端が右往左往するようでは、官僚依存=中央主権は変らない。地域から発信して中央を変えさせるくらいのパワーを中央が地方に権限移譲(付与)するくらいのことを実施してゆかないとこの国は変われないと感じる。

その意味で最低基準の度重なる法改正で大量の「既存不適格」建築物を生成し、行政による徒な関与で産業としての建設にマイナスの負荷を与えている現法制度は早急なる見直しで改廃を図るべきである。責任を担うことのできない建築確認行政もその存立の有無を含めた議論をせねばならない時期にきたように思う。110113

参考:
既存不適格建築物の増築に関する規制について 100218
建築基準法の見直しの最終取りまとめ提案 101021
耐震偽装から5年 建築関連制度の変遷 101124
建築基準法の見直しと既存不適格 101224