姫路の住まい情報館 新商品、展示会や各種イベント・キャンペーンと最新の住宅政策情報

米Solyndraが破産申請 中国との競争激化が原因

2011-09-12 (Mon) 16:30
米国の太陽光発電パネルメーカーであるSolyndra社は、2011年8月31日連邦倒産法第11章の適用を申請する計画を発表した。同社の投資家グループは、同社を売却するか資産を入札で売却するかを検討するとしている。他社への技術供与という道もある。カリフォルニア州フリーモント市の工場は生産を停止し、1100人の正社員は解雇した。同社は米政府やベンチャーキャピタルから多額の融資を受けていた有望企業であったが、激化する中国メーカーとの競争の激化と国際的な製品価格の下落や不況による需要減退が破綻の背景にあるようだ。

8月に倒産した同業のエバグリーン・ソーラーやインテルから分離独立して操業を始めたばかりのニューヨーク工場を閉鎖したスペクトラワット・ソーラー社も同様の価格下落で苦しんだ。

solyndra1

Solynrdaの太陽光パネルは、現在の市場では主流のシリコン系ではなく、薄膜CIGS(銅、インジウム、ガリウム、セレン)を発電層に利用する化合物系の太陽電池を手掛けている。化合物系の太陽電池は、シリコン系と比較した場合、コスト競争力に勝るといわれている。昭和シェル石油が全額出資するソーラーフロンティアは、薄膜CIS系の太陽電池製造工場を宮崎県国富市に1000億円を投じて第三工場を本年7月に稼働させたが、その生産能力は単一工場としては世界最大の年産900MWで、変換効率も13.3%の製品が安定して製造できるようになった。歩留まりも90%を超える。これにより、生産能力は一挙に年980MWに拡大。国内では三洋電機や京セラを追い越し、トップのシャープに肩を並べることになった。海外では米ファーストソーラー(1200MW)や中国のサンテックパワー(1800MW)が大手だが、これらと比較しても遜色のないレベル。決して化合物系の太陽電池に欠陥があるという訳ではない。

むしろ、化合物系は使用する材料が少なく製造工程も少ないので、変換効率を高めた製品の大量生産(2011年9月現在、ドイツManz社の太陽電池で15.1%)ができれば、シリコン系と比較してスケールメリットも大きく、製造コストも下がるのでそのポテンシャルは高い。現在主流の結晶シリコン系の太陽電池は、生産技術が確立してから長期間が経過しており、市販の製造装置を購入すれば比較的簡単に誰でもつくれる。性能面での差別化の余地も少なく、投資スピードで日本勢は中国に先を越されて劣勢に立たされている。その意味で、化合物系の太陽電池には日本勢や欧米系のメーカーにとっては最大の武器にもなりうる可能性を秘めている。

solyndra2Solyndraの太陽電池がユニークなのは、円筒(シリンダー)形の形状。取付の架台が不要で屋根面だけでなく、どこにでも設置が可能で85℃の表面温度でも発電量が低下しないメリットは大きい。全方位から光を捉えるので、発電効率も高く、曇天時も発電劣化も少ない。

化合物系の太陽電池の最大の課題は量産効果によるコスト競争力と製造技術の独自性にある。それが日本と欧米勢にとって、中国との競争に勝ち残る唯一の条件である。