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太陽光発電システムの盲点 家庭用パネル10年で故障1割

2009-08-28 (Fri) 17:34

7月1日に「エネルギー供給構造高度化法」が成立して、年内にも家庭内などの太陽電池で発電した余剰電力を、現在の約2倍の価格で電力会社に買い取らせる制度がはじまることになった。経済産業省では、今回の制度では、投下した初期投資が回収できるのは従来の約半分の10年程度に短縮できるという。

この制度の背景には、ドイツが始めたフィードインタリフ(FIT)と呼ばれる制度の成功がある。FITは太陽光発電や風力発電などのCO2を発生させない代替エネルギーへの転換を促進するための「環境対策」を目的とした制度である。ドイツ政府はこれを関連産業の育成と新規雇用の創出に応用したもので、個人は将来の年金の感覚で自分の家の屋根に設置して、10年で元をとり、その後は収入が全て利益となる単純計算の投資と考えたもの。運営面でも手続きが簡素化されており、金融機関からも自動車ローンと同じ感覚で融資を受けることができる。

日本での導入にあたり、最も懸念されるのは、想定通りに投資が回収できるのは、システムに故障がなく、計画通りの発電量が得られること、つまり、10年間フル稼働していることが前提である。

ここに興味深いレポート(日経ビジネス 時流潮流)がある。産業技術研究所(太陽光発電研究センターの加藤和彦主任研究員)のレポートによると、設置から10年以内に交換した事例の割合は、

1.太陽電池パネル:13%
2.パワーコンディショナー:17% とのこと。

国内の多くのメーカーは10年保証をうたっているが、期間内に10%以上の出力低下をきたした場合のみ交換に応じているようである。交換までは至らずとも、知らないうちに発電効率が低下して計画通りの売電ができていないことは大いにありうる。金銭がからんでくれば、必ずしも天気のせいとして放置しておくわけにはゆかない。出力低下は機器の不具合だけでなく、不適切な設置方法でも発生する。設置後に建物や植栽などの障害物ができることもある。そのため、京セラだけは、10年保証の条件に4年毎の有料の定期点検を求めている。消費者保護を前面にした非常に先進的な制度と高く評価したい。

欲をいえば、売るだけでなく、太陽光システムの稼働を常時モニターして異常の発生をリアルタイムで監視するくらいの体制を構築して消費者の利益を保護する体制をつくってもらいたいものだ。