改正建築士法 耐震偽装に端を発する建築物の安全と建築士への信頼回復する目的の法律改正

改正建築士法とは

構造偽装事件の再発防止策の第一弾が改正建築基準法だとすれば、改正建築士法は第二弾。建築士の資質・能力の向上、建築し事務所業務の適正化を図り、建築物の安全性と建築士制度に対する国民の信頼を回復する目的で改正されるもの。

「建築士の資質・能力の向上」では、建築士試験の見直しで、受験資格(学歴要件と実務経験、専門能力者)や試験内容の見直しが盛り込まれました。

確認手続きに必要な書類を作成するために、一級建築士とは別の新資格を要することになりました。新資格とは、「構造設計一級建築士」と「設備設計一級建築士」で、従来の「一級建築士」よりも上位の資格と位置付けられています。これにより、一定の建物(構造設計では鉄筋コンクリート造高さ20m強など、設備設計では階数で3以上かつ床面積5000m2超)について法適合確認等の義務づけがされました。

現在30万人いる一級建築士のほとんどは、意匠分野を専門としており、もともと構造設計や設備設計はの専門家は一部に限られていた。新しい制度では、一級建築士の有資格者は国に登録した講習機関が実施する「みなし講習」を修了すれば新資格を取得できる。「改正建築基準法」のときのような混乱は少ないとの見方もあるが、問題は、有資格者が都市部に集中していること。建築確認の手続きに必要な書類を準備するための専門家が不足する地域がでてくるかもしれない。

詳しくは、一般社団法人 新・建築士制度普及協会(設立平成21年1月)を参照してください。
  

改正の主なポイント

1.建築士試験の見直し

  • 受験資格の変更
  • 学歴は平成21年度の入学生から新しい要件に移行

2.定期講習の義務化(3年毎)

3.構造/設備設計一級建築士資格

  • 新資格「構造設計一級建築士」「設備設計一級建築士」を設ける
  • 条件は一級建築士として5年以上構造設計・設備設計に携わり、指定の講習を修了したもの

4.構造設計および設備設計の適正化(H21.5.21より関与の義務付けが開始します)

5.設計・工事監理業務の適正化、消費者への情報の開示

  • 重要事項の説明義務(設計図書の種類、工事と設計図書の照合の方法、工事監理の実施、状況に関する報告の方法、報酬の額及び支払の時期、契約の解除に関する事項)
  • 建築士事務所の管理建築士になるための実務経験年数は3年、講習の受講を要する
6.重要事項説明
  • 平成20年11月28日以降に設計・工事監理契約が締結される場合には、その契約締結前にあらかじめ、建築主に対し重要事項説明を行うことが義務付けられました。契約の締結後も、契約内容の一部を明らかにした書面の交付を行う必要があります。