家庭内事故の現状と対策 商品が便利になればなるほど、予期せぬ事故が発生する

家庭内事故の実態

住宅の温熱環境と健康に関する研究を行う国民会議が設立されました。その名はスマートウエルネス住宅。一般社団法人健康・省エネ住宅を推進する国民会議がその運営主体です。物理的なバリヤフリーや化学物質によるシックハウスだけでなく、より広く住戸内の温熱環境(ヒートショック)や湿度なども含めた複数の要素、およびそれらの複合的な相互作用と身体の健康を科学的なエビデンスを基に総合的に検証する体制が誕生しつつある。これまではあまり顧みられなかっただけに大変意義深い。(2014/1/17)
あなたの大切な家族を危険からどう守る?(協力 セコム)
家庭内の温熱環境(ヒートショック)による事故

2月17日に東京都の生活文化スポーツ局からキッチンでの「ヒヤリ・ハッと体験」レポートが発表されました。
家庭内での事故、特にキッチン周りは火があるので要注意です。IHコンロなど従来にはなかった商品が多数ありますので、使い方を間違うと大きな事故につながりかねません。
キッチンでのヒヤリ・ハット体験の具体例(PDF)
キッチンでの事故防止ガイド(PDF)
(100222)

国民生活センターのレポート(人口動態調査)によれば、1997年における家庭内での不慮の事故死は10,314人で交通事故死よりわずかに少ないだけです。しかも、年齢別に見ると、0~4歳児では先天性の異常を除くと家庭内事故死がトップ。原因では誤えんによる窒息死の割合が76%。65歳以上でも同様で、原因は溺死、溺水が30%、転倒が20%。場所別では、階段、浴室、台所がおおくなっています。本来は最も安全なはずの家庭内で事故が多発しているのはあまり知られていない事実です。志望にまでは至らなくても、大けがで半身不随のケースも数多くあります。

現に、東京消防庁の調査では、救急搬送された高齢者の怪我の場合、入院治療を必要とする中等症の割合は、実に60%を超えています。高齢者のちょっとしたつまづきがきっかけで、大怪我になってしまうのが現実です。長年住み慣れた家、という慢心が安全に対する配慮を乏しくしてしまっているとも考えられます。

事故の原因と場所

家庭内事故が最も多発するのが階段。その他で気をつけたいのは、浴室、トイレ、玄関。それに暗いところ。
高齢者や子どもは、普段の行動の中でも思いがけない事故につながることがありますので、場所ごとの対策をしっかり立てておくことが大切です。

怪我の場所は、多い順に
1.階段:急な勾配、手すりがない、足元が暗いなどで転倒、転落、骨折などで失命もある場所だけに、細大の注意をはらってください。まっすぐで長い階段は、転んだ時のダメージが大きいので避けるか。途中で踊り場を設けるなどしてください。
2.浴室(洗い場、浴槽、シャワー):転倒や温度差によるショックに注意してください。入口での段差や足を滑らせての転倒など危険がいっぱいの場所です。冬場は脱衣場と浴室内の温度差が引き起こすヒートショックで血管が著しく伸縮して血流、血圧の急激な変化で脳梗塞などの深刻な事故例が多く報告されています。
3.床・畳・敷居:高齢者になれば、ちょっとした段差や床に置いてある衣類でも躓いて転倒します。油断しないことが最大の事故予防になります。
4.玄関:玄関は履物の着脱をする場所で、乱雑になりがちのところ。段差があり、不安定な姿勢をとるいことが多いので転倒や踏み外しやすい場所。手すりは必須のアイテム。場合によっては、脇椅子を置くなどして、楽な姿勢で履物の脱着ができるようにしましょう。
    5.トイレ:夜間でも安全に使用できることが大切です。高齢者になると、夜間トイレに行く回数が増え、
      暗い中での歩行で段差による転倒がよくある場所です。又、介護が必要になった場合も想定して、
      介助者も使い易いようにしておけば安心です。

事故の内容は、
1.挫傷、打撲傷(32%)
2.刺傷、切傷(22%)
3.熱症(20%)
4.異物の混入(12%)
5.骨折(7%)

でこれらの多くが転倒、転落がきっかけでおこっています。特に、風呂場での事故は重篤症、死亡の第一位で重症以上の事故の20%にも及びます。溺水の85%は浴室で発生しており、浴室は家庭内でも最も危険度の高い場所です。足が滑って転倒し打撲・骨折に至るケースが多発していますので、風呂の床面は滑りにくい材質のものを選んでください。
 
段差のバリヤフリーは比較的よく理解されていますが、温度のバリヤフリーはまだまだです。日本人は入浴好きの国民といわれています。確かに、入浴には清潔、保温、疲労回復などの効用があります。一方、心疾患をお持ちのかたの入浴には、そのしかたによってはかなりの危険を伴います。そのなかでも、冬場の急激な温度変化(ヒートショック)に伴う急激な血圧の変化が大変危険です。冬場の入浴時には、事前に浴室内を十分暖房すること。特に床面が冷たいと冷ショックで血圧上昇を引き起こしますので、お湯で十分温めておくとかの予防策をとってください。

家庭内事故防止の対策

家庭内事故の予防には、身体のバランスが崩れたときに支えるものを用意することです。手摺の取り付けや、滑り止めを付けましょう。居室や廊下の床面を平らにしてバリヤフリーとしましょう。敷居や絨毯のめくれた部分や座布団、床の上の置物でもつまずいて転倒します。 高齢化に伴い、視力が低下します。特に台所でのガスの青い炎が水晶体の黄変で見えづらくなってきます。これが、袂への着火による火傷を引き起こします。過信は禁物、50歳から老化現象は確実に進みます。家族の皆さんも、おじいちゃん、おばあちゃんだけでなくお父さん、お母さんも含めた高齢者の生理的、身体的機能の低下を理解してあげてください。更に、寒さが招く家庭内での事故発生を予防するには、住宅の高断熱化と高気密化による温度差の解消、つまり屋内全館冷暖房が非常に有効です。この場合は、計画的な換気もお忘れなく。
新築でなくても、居間・寝室・浴室・トイレだけを対象にした断熱化工事は、デコスドライなどのセルロースファイバーなど透湿性のある断熱材を使用すればリフォームでも可能です。