住生活基本法 「量より質」「ストック重視」への住宅政策の転換を図る基本法

平成23年1月 住生活基本法の見直し

国土交通省 住生活基本法の見直し 達成目標案を公表 平成23年1月

平成23年1月の社会資本整備審議会の住宅分科会で今後10年間の政府の住宅政策の方向性を示す「住生活基本計画(全国計画)」の見直し案が公表された。

今回の見直し案では、新築住宅に占める長期優良住宅の割合を2009年度の8.8%から2020年度には20%に増やすという数値目標が新設されことが目立っている。同案によれば、

  1. 安全・;安心で豊かな住生活を支える生活環境の構築
  2. 住宅の適正な管理および再生
  3. 多様な居住ニーズが適切に実現される住宅市場の環境整備
  4. 住宅の確保に特に配慮を要すす者の居住の安定の確保

の4つの政策目標が提示された。政策ごとの数値目標は下記のとおり。

住宅ストックの新耐震基準適合率 79%(8年度)→95%(20年度)
特定建築物の耐震化(H17中央防災会議) 80%(8年度)→90%(20年度)
高齢者人口に対する高齢者向け住まいの割合 0.9%(05年度)→3~5%(20年度)
生活支援施設を併設した100戸以上の公的賃貸住宅団地の割合 16%(09年度)→25%(20年度)
一定の省エネ対策を講じた住宅ストックの比率 21%(08年度)→50%(20年度)
既存住宅の流通シェア 14%(08年度)→25%(20年度)
取引時に瑕疵担保保険に加入した住宅の年間戸数 906戸(10年4月~12月)→9万戸(20年度)
リフォームの実施率 3.5%(04~08年度平均)→6%(20年度)
リフォーム時に瑕疵担保保険に加入した住宅の年間戸数・棟数 4093戸・棟(10年4月~8月)→35万戸(20年度)
滅失住宅の平均築後年数 約27年(08年度)→約40年(20年度)
新築住宅における住宅性能表示の実施率 19%(08年度)→約50%(20年度)
新築住宅における認定長期優良住宅の割合 8.8%(08年度)→約20%(20年度)
最低居住面積水準未満率 4.3%(08年度)→早期に解消 
高齢者の居住する住宅の一定のバリヤフリー率 37%(08年度)→約75%(20年度)

今後は見直し案に対するパブリックコメントを公募した上で、10年度中に閣議決定して実施を目指す予定とのことである。110209
 
参考:110127 国土交通省 報道発表資料
住生活基本計画(全国計画)変更案
社会経済情勢の変化
社会資本整備審議会 住宅宅地分科会のHP


政権交代による民主党政権の発足後、国土交通省と経済産業省・環境省が連携して推進することになった住宅・建築分野の政策目標の傾向は、「住宅を含む建築物の省エネ化の一層の普及促進と省エネ実施の強化」です。

住宅版エコポイント制度は省エネ法の執行強化とのパッケージ政策。いわば、アメとムチ。新築住宅の省エネレベルで改正省エネ法平成11年(次世代)基準が採用されている。更に、中長期的には、建物の外皮(屋根・外壁・床・開口部)だけでなく、住宅設備(高効率給湯器・太陽光発電やエネファームなどの創エネ設備LED照明器具)も含めた住宅全体のエネルギー消費の水準を下げる方向が打ち出されています。
政   策 現  在 目  標
 住宅の平均寿命 30年(H15) 40年(H27)
 住宅の耐震化率 75%(H15) 90%(H22)
 誘導居住面積達成率(子育て世代) 【全国】 42%(H15) 50%(H22)
                   同上               【大都市圏】 37%(H15) 50%(H27)
 バリヤフリー化率 【一定】 2ケ所以上の手すり又は屋内の段差解消 29%(H15) 75%(H27)
  同上   【高度】 2ヵ所以上の手すり、屋内段差解消、車椅子対応廊下幅 6.7%(H15) 25%(H27)
 窓断熱された住宅のストック率 18%(H15) 40%(H27)

地球温暖化・エネルギー関係での経済産業省と国土交通省の連携強化に向けた中間とりまとめ
(平成21年12月発表)より抜粋
今後新たに導入される税制や各種優遇措置はこの潮流に沿ったものになる見込みです。
 

住生活基本法とは

「国民の豊かな住生活の実現を図るため・・・・基本理念、国の責務、住生活基本計画・・・について定める」もので、量から質へ、ストック重視への住宅政策の転換をはかる初の住宅基本法です。その基本理念は、
  1. 国民の住生活の基盤となる良質な住宅の供給と将来世代への継承(基礎的安全・高齢者化社会対応・地球環境対策・適切な維持管理)
  2. 良好な居住環境の形成(住宅市街化の基礎的安全性)
  3. 既存ストックを活用する住宅市場の整備と消費者の保護(中古住宅市場の形成)
  4. 低所得者、高齢者、子育て家庭(配慮対象者)の居住安定の確保

が謳われています。(平成18年6月8日施行)

国土交通省では現下の厳しい経済状況に鑑み、緊急対応として、(1)長期優良住宅の普及促進 (2)リフォームの促進を重点的に推進することを発表しています。

住宅関連:参考資料