省エネ法(平成24年以前)改正 一定規模の住宅販売会社は省エネ対策を義務付けられることになりました

従来の省エネ基準に代わる新たな基準が平成25年から施行されます。(2013/2/14)

省エネ法改正の推移(新)

2020年を目途に、新築のビルと住宅に対し、建物の断熱性能などを規定する省エネ基準の義務化を全面的に実施する方針を決めている。これまでの経緯を纏めてみた。

量から質へ 06(H18)/1  耐震強度偽装(姉歯)事件
06(H18)/6  住生活基本法制定
06(H18)/12  建設業・宅建業法改正(瑕疵担保保険の義務化)
 建築士法改正(構造・設備1級建築士創設)
新築からストックへ 07(H19)/6  確認申請の厳格化(申請後の変更不可)
08(H20)/11  改正建築士法(3階建構造設計基準)
09(H21)/1  住宅建築促進税制
地球温暖化防止 09(H21)/4  トップランナー基準の策定
09(H21)/6  長期優良住宅認定制度長期優良住宅普及促進事業
09(H21)/9  住宅瑕疵担保履行法
住宅長寿命化へ 10(H22)/2  フラット35S金利優遇制度
10(H22)/3  住宅版エコポイント制度
10(H22)/4  10年度木のいえ整備促進事業
11(H23)/5  11年度木のいえ整備促進事業
新基準策定へ 12(H24)/?  次世代省エネ基準の新設
 (2020年の全面義務化とそれまでの経過措置)

「改・次世代省エネ基準」新設の動き

前原国土交通大臣が4月16日の記者会見で明らかにしたところによれば、「新築住宅に省エネ基準への適合を義務化する」方針だが、その具体的なシナリオが明らかになってきた。

これは2020年までに温暖化ガスの排出を90年比で25%削減することを目標に掲げた民主党の政策に合わせたもので、環境省、経済産業省、国土交通省から具体的な政策方針が提示された。その中長期のロードマップ提案によるシナリオでは、

  1. 「改・次世代省エネ基準」の新設(2012年)
  2. 「住宅ラべリング制度」の更新・運用開始
  3. 新築住宅の「省エネ性能表示」義務化
  4. 同 「一定の省エネ基準適合義務化」
  5. 同 「次世代省エネ基準適合義務化」(2020年まで)
経済産業省では、2020年までに「エネルギー収支がゼロになる家を新築住宅の標準にする」と明記した。環境省では、次世代基準よりもう一段厳しい「改・次世代省エネ基準」の新設を掲げている。
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省エネラベルの対象は:
  1. 現行住宅の省エネ基準(H11省エネ基準)に適合するように努めている
  2. 給湯器や空気調和設備等の設備の効率性についても総合的に評価し、「省エネ対策等級4」の住宅より、「一次エネルギー消費量」が概ね10%削減されるレベルの住宅です。

(省エネラベルのダウンロード)

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新築戸建住宅における省エネ基準の推移

日本の省エネ政策はオイルショックで慌ただしく、昭和55年に策定された旧省エネ基準に始まります。その後、オイルショックが緩んで石油の価格と供給が安定するとすっかり省エネ機運は雲散霧消。その当時の基準は、住宅をすっぽりと断熱する、というものではなく屋根と壁に断熱材をいれましょう、程度の基準で今から思えば意味の薄いものでした。

その旧基準が見直されて約40%もレベルアップして改正されたのが平成4年、旧基準から12年後に策定されたもので、これを新省エネ基準と呼んでいます。それでも、この基準は寒冷地以外は窓はアルミの単板サッシ、気密は無指定でまだまだ不十分。それでも、当時の住宅金融公庫の融資条件で義務化されることができず、新エネルギー基準は、基準金利の適用を受けるための二者択一の選択肢にされた、いわば半義務化でした。断熱性能の他に気密性能(隙間相当面積)や夏季の日射取得計数、その他の留意事項(防露、換気、暖冷房機、通風)が考慮されるようになったのは、平成11年の次世代省エネ基準の制定まで待つ必要がありました。地域区分表も都道府県単位ではなく、市町村単位での区分に改正されました。次世代省エネ基準は、建築主の判断基準(性能規定)と設計および施工の指針(仕様規定)の二つに大別されています。

気密性能の安定化を図るため、柱、梁、根太、間柱には重量含水率20%以下の乾燥材の使用が義務付けられ、屋根(又は天井)と外壁の断熱材の熱抵抗値はII地域以西はすべて同じ熱抵抗値になったことは注目に値します。つまり、高断熱・高気密は寒冷地だけのものではなくなり、温暖な地域でも省エネ住宅が求められるようになった、ということです。

断熱性を示すのが「熱損失係数(Q値)」で、気密性を示すのが「相当隙間面積(C値)」相当隙間面積(C値)は、家の隙間を測定して、隙間面積の合計(cm2)を床面積(m2)で割った値のこと。換気口など計画的に開けた穴を全てふさぎ、室内の空気を送風機で強制的に排気して、生じた気圧差と風量で測定する。
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              建物から逃げる熱量の合計
Q値(熱損失係数)=------------------------  (次世代省エネ基準ではIV地域で2.7W/m2K)
                建物の延べ床面積

                           家全体の隙間の合計
*C値(相当隙間面積)=-----------------------  (次世代省エネ基準ではIV地域で5cm2/m2
                 建物の延べ床面積
(*平成21年の省エネルギー基準の改正で、相当隙間面積の基準値は削除されました)
 
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各省エネ基準の断熱材の厚み差
  制定年度 屋根
旧省エネ基準 昭和55年 40mm 30mm 25mm
新省エネ基準 平成4年 90mm 60mm 45mm
次世代省エネ基準 平成11年 230mm 110mm 110mm
※数字は各部位のGW10K相当の厚み ※東京の場合 ※次世代基準は気密住宅であることが必須

平成21年夏の総選挙で実現した民主党栓政権は、2020年までに1990年比で温室効果ガスの排出量を25%削減する中期目標を明記した「地球温暖化対策基本法案」を閣議決定しています。新築住宅の着工がいよいよ80万戸台に減少し、ストック重視型の社会に移行しつつある中で、新たに実現したのが「住宅エコポイント」で、省エネ住宅に取組むきっかけとなる制度。更に、平成22年4月からは、「改正省エネ法」の実施で、住宅、工場、ビルなど全ての施設や産業分野で省エネを図ることが義務付けられました。
 
住宅の省エネ性能と基準の推移
住宅の省エネ性能に関する基準が制定されたのが昭和55年の旧基準。その後、平成4年の新基準を経て、平成11年からは次世代基準が制定され、平成22年4月からは改正省エネ法でトップランナー方式を採用した「住宅事業主の判断基準」が最も高いレベルの省エネ性能を満たす基準となっている。

【次世代省エネ基準】
通称「次世代省エネルギー基準」とは、平成11年3月に改正告示された「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準」及び「同設計及び施工の指針」のこと。平成22年の新築住宅での達成率は42%となっています。

【トップランナー基準】
通称「トップランナー基準」とは、省エネ法で定める「住宅事業建築主の判断の基準」のことで、次世代省エネ基準よりも高い省エネ性が求められます。壁・床・屋根・窓の断熱に加えて、高効率の冷暖房施設や給湯設備によって、一次エネルギーの消費量を、平成20年時点での一般的な設備のエネルギー消費量に比べて、概ね10%削減することが求められています。

年間150戸以上を供給する戸建住宅(分譲)業者に省エネ措置の届出を義務化
 
  1. 住宅の外壁、窓等の躯体の断熱性能(平成11年3月告示の次世代省エネ基準)に適合していることの他、エネルギーを多く使用するエアコンや換気、照明、給湯設備など、住宅販売時に備え付けられている住宅設備を対象に、それぞれを一次エネルギー消費量に換算して評価するという新しい住宅省エネ基準を設定。
  2. 目標水準は次世代省エネ基準を満たす住宅に高効率設備機器を導入した場合を想定、一次エネルギー消費量換算で一般的な設備を使った場合の10%程度の削減を目指す。
  3. 目標水準の達成は、年間150戸以上を供給する住宅事業者に義務付けする。
  4. 国土交通大臣は省エネ性能の向上に関する勧告を行うことができる。
  5. 平成25年までの達成を義務付け、対象事業者には定期報告の義務を課す
省エネ性能ラベリング制度の創設も検討中
  1. 実際のエネルギー消費とコストを簡単に換算表示
  2. 住宅購買時の判断基準となる情報を提供
300m2以上の建物に省エネ措置届出の義務付け(平成22年4月1日施行予定)
  1. 中規模の共同住宅も対象となります
  2. 次世代省エネ基準レベルのクリアなどの省エネ措置と報告
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住宅の省エネ性能の評価ツール

住宅の省エネ性能を評価するツールには現在(平成23年11月)3つある。
  1. 住宅性能表示制度
  2. 自立循環型住宅への設計ガイドライン
  3. トップランナー制度*

*トップランナー基準:新築住宅の外壁、窓等の断熱性能に加えて、給湯設備や暖冷房設備等の建築設備の効率性について総合的に評価して得られる一次エネルギー消費量が、省エネ法に基づく「住宅事業建築主の判断の基準」に相当するものを「トップランナー基準」とします。

これらの違いを明快に解説する記事を紹介する。
ケンプラッツ 3種類ある評価ツールの本命は?(2011/11/10) 住宅技術評論家の南雄三氏によるもの。

CASBEEについて

CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)とは

CASBEE(Complehensive Assessmenet System for Building Enviromental Efficiency)は建築物総合環境性能評価システムを訳され、省エネや省資源といった環境負荷削減の側面と室内の快適性や景観への配慮といった環境品質の向上という側面の双方から建築物の環境性能を総合的に評価するシステムです。
住宅には個人的な側面と社会的な側面があります。前者は個人や家族が生活の基盤として豊かで、快適・安全・健康に暮らすという側面です。後者は、社会の構成要素たる一資産として次代に継承されるという側面です。
地球環境問題が一層深刻になってきた今日、住宅の設計、建設、使用に対して新しい問題が発生してきました。それは、住宅がその建設時に大量の資源を消費すること。さらに、建設後の使用段階でも大量のエネルギーを消費することです。これからの新しい住宅では、性能のいい住宅を建設して、住宅から発生する環境負荷を減らすことが強く求められる時代になってきました。
そんなニーズに応えるのが、環境性能の評価ツールであるCASBEEすまい(戸建)です。
 
CASBEEの評価方法
 
CASBEE3BEE(環境効率)= Q(環境品質)/L(環境負荷)で計算されます。ここでいうQ(Quality)は敷地内における生活の質の高さを、L(Load)は環境に与える負荷を意味しますが、QをLで割り算することで、そのバランスを見るものです。内と外の境界を住宅の外壁ではなく敷地境界にしたところが、CASBEEのユニークなところです。いくら生活の質が高まっても、資源やエネルギーを大量に消費する住宅はBEEの高い住宅とはいえないということ、つまり両者のバランスが大切ということです。

評価の項目は下記の通りです。(大項目のみ) 

Q

環境品質=生活の質

LR

環境負荷の低減(Reduction)

Q1

 室内環境を快適・健康・安心にする LR1  エネルギーと水を大切に使う

Q2

 長く使い続ける LR2  資源を大切に使い、ゴミを減らす

Q3

 まちなみ生態系を豊かにする LR3  地球・地域・周辺環境に配慮する

評価とBEE値の相関
いくら環境負荷が少なくても品質=快適性が低い、逆にいくら快適であっても環境負荷も高いと高得点にはならない。省エネをはかり環境への負荷を下げて、かつ快適性を維持できれば高い評価が得られる仕組みで、バランスが大切ということ。
CASBEE4 

ランク

評価

BEEH値=QH/LH

表示

S

素晴らしい

 BEEH値=3.0以上  ★★★★★

A

大変良い

 BEEH値=1.5以上~3.0未満  ★★★★

B+

良い

 BEE値H=1.0以上~1.5未満  ★★★

B-

やや劣る

 BEEH値=0.5以上~1.0未満  ★★

C

劣る

 BEEH値=0.5未満  ★