太陽熱利用システム リバイバル 太陽の熱エネルギーでお湯をつくる

太陽熱ソーラーが住宅エコポイント対象になりました

平成22年11月の補正予算成立に伴い、新たに太陽熱ソーラーシステムが住宅エコポイントの対象に追加されました。このシステムは太陽の熱を直接熱エネルギーに変えるもので、省エネ効果が高いため、今回の措置となったものです。

太陽の光エネルギーを利用するのが、「太陽光発電」ですが、これは気温が高くなったり、日陰ができたりすると光電気変換率の低下に伴い、発電出力が減少する難点があります。逆に「太陽熱利用システム」は、高温地域の方が効率がよいため、太陽光発電の設置には適さない地域や場所でも利用が可能ですので、「太陽光発電」の代替利用システムとして位置付けることができます。費用的にも、太陽光発電が3kw級で約200万円かかるのに対し、ソーラーシステムは約90万円で済むのも大きな魅力の一つです。

太陽熱ソーラーの種類
太陽熱ソーラーは、集熱器、熱媒体(不凍液)の有無と熱交換・循環方式、貯湯槽の位置、補助給湯器の有無によって様々なタイプが用意されています。参考までに、ノーリツのシリーズを例に説明します。
シリーズ名 SJ SJQ UF VF
呼称 太陽熱温水器 ソーラーシステム ソーラーシステム ソーラーシステム
加熱方式

水を直接加熱

不凍液で間接
加熱熱交換式
不凍液で間接
加熱熱交換式
不凍液で間接加熱
熱交換式+給湯器
イメージ図 solarsj solarsjq solaruf solarvf
集熱器と貯湯槽の位置 一体型
自然循環式
一体型
自然循環式
セパレート型
強制循環式
セパレート型
強制循環式
屋根荷重
(満水時の集熱器重量)
325kg 340kg 85kg 80kg
貯湯タンク容量 210L 200L 200L+300L 140L
イニシャルコスト(施工費込) 977,600円 1,097,300円 1,257,500円 950,000円
ランニングコスト
(年間削減量 LPG比)
41,000円 同左 同左 同左
二酸化炭素排出削減量
(LPG比)
約500kgs/年 同左 同左 同左
住宅エコポイント 対象外 20,000ポイント 同左 同左

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屋根への荷重を考えるとセパレート型が断然おすすめです。屋根の形状に合わせて、各種のパネルのバリエーションが用意されています。更に、暖房機能付きのXFシリーズもあります。
ちなみに、「太陽熱温水器」は一般には自然循環で水を直接加熱するSJ型のみを示し、それ以外のものは「太陽熱利用システム」や「ソーラーシステム」と称し区別しています。

太陽熱温水器とは

太陽熱温水器は太陽のエネルギーを熱として利用するというシンプルな原理のため、エネルギー変換効率は高く50%以上で、太陽光発電の20%と比較してもかなり高い。現に、海外では太陽光発電以上に太陽熱利用システムが普及している。ところが日本では、1970年代の石油ショック時には、販売台数が増えたが、その後は保守の体制が不備だったり、悪質な訪販業者の参入で顰蹙を買う結果となり市場も縮小傾向であった。だが、ここにきてCo2削減と熱エネルギーの有効活用の視点から見直されている。

東京都や環境省が新たな支援策をスタートさせる中で、各メーカーからは付加価値を盛り込んだ新商品が発売されている。

太陽温水器の種類

太陽熱利用システムには、大きく分けて太陽熱温水器とソーラーシステムがある。

太陽熱温水器は、「自然循環型」と「真空貯湯型」に分類できる。「自然循環型」は太陽集熱器と貯湯タンクを組み合わせた構造で、屋根の上に設置する最も一般的なタイプ。暖められた水が自然循環する性質を利用するもの。低価格も特徴です。

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出典:社団法人 ソーラーシステム振興協会
 
「真空貯湯型」は、集熱部と貯湯部が一体で円筒形のガラスで覆われた形状で、ガラスの魔法瓶のように断熱性が高く、設置スペースの割には大きな集熱面積を確保できるので効率よく太陽エネルギーを捕えることができる。

太陽熱「ソーラーシステム」は、屋根上に集熱部を設置して、地上に貯湯・蓄熱タンクを置く分離タイプで、熱媒体には不凍液などを利用。ポンプで強制循環させ、貯湯タンク内の熱交換器で温水を得るメカニズムのもの。太陽熱で集熱器が一定の温度に達すると集熱ポンプが自動的に運転され、集熱回路の中の熱媒を循環させ、蓄熱槽にお湯を蓄えます。屋根上に水をためる必要がなく、集熱部を軽量化できるので、荷重が少ない分だけ集熱面積を広くとることが可能です。

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出典:社団法人ソーラーシステム振興協会

平均的な設置コストは太陽熱温水器が約30万円で、ソーラーシステムが約90万円。

 

太陽熱温水器の助成策

東京都では、2010年度から太陽熱温水器と太陽熱ソーラーシステムの普及を促すための助成を環境価値の買い上げという形で住宅用太陽エネルギー利用機器導入促進事業を実施する。同時にスタートする太陽光発電の助成では、グリーン電力証書(環境価値)が流通しているが、ソーラーシステムの場合平方メートルあたり33,000円の補助を受けられる。一般的な大きさは、6平方メートルなので約20万円の補助となる。

東京都以外でも、全国各地の自治体が独自の支援策を打ち出している。(財)ベターリビングが(社)ソーラーシステム振興協会との共同事業で取組む「サン&グリーンプロジェクト」に各自治体の支援策が掲載されている。

国でも太陽熱利用システムの普及促進に乗り出してきている。 環境省は、平成22年度の予算で新たに「家庭用太陽熱利用システム普及加速化事業」を発足させた。これはリース事業を行うものに対して、機器・設置工事費の1/2を補助するもの。1戸当たりの工事費の上限は120万円なので、最大60万円が補助対象となる。採択事業者は平成22年3月の公表では矢崎創業やノーリツ他、8案件。

平成22年4月から実施されている改正省エネ法では、年間150棟以上の分譲住宅を販売する事業者は、2013年までにトップランナー基準をクリアすることを求められているが、太陽熱利用システムの採用がキーをなる可能性もある。 

 太陽熱利用システムのメリット ソーラーシステム 太陽熱温水器
 平均設置コスト 約90万円 約30万円
 集熱面積 6平方メートル 3平方メートル
 年間集熱量 13GJ/年 6.5GJ/年
 年間節約額  LPG(496円/m3) 82,000円 41,000円
 都市ガス(133.5円/m3) 53,000円 26,500円
 灯油(72.6円/リッター) 32,000円 16,000円
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出典:「サン&グリーンプロジェクト」