超長命(200年)住宅 環境負荷が少なく、世代を超えた暮らし方を実現するサスティナブル住宅

いよいよ住まいを長く住み継ぐ時代が到来

地球温暖化の進展や資源の枯渇が懸念されている中、地球環境への負担が少なく、資源を有効活用し、CO2排出を削減するストック型社会への転換が求められている。住宅の分野でも幾世代にもまたがって住み続けることのできる「超長命住宅」=サスティナブル住宅への期待が高まっています。

わが国の住宅の寿命は、欧米諸国に比べて非常に短く、その弊害が従来から指摘されてきました。住宅ローンを払い終わうと住宅の価値はゼロで、次世代に残す財産になっておらず、壊すしかないという壮大な無駄を強いられてきたのが現状。その費用を生活に振り向けるだけで、生活の豊かさの実感がおおきく違ってきます。

これまでのような、建てては壊し、大量の建築廃材を出しても、また建てるという大量生産・大量消費、スクラップ&ビルドの住まいづくりから脱却して、しっかりと建てて、定期的なメンテナンスをし、世代にまたがって長く住み続ける住まいを創ってゆこうとするものです。住宅の長寿命化がもたらすメリットは、環境面だけではありません。家計への負担減にも大きな貢献が期待されています。さらに、資産価値の高い住宅になれば、ライフスタイルに応じて住宅を売却したり、賃貸にして収入を確保できるので、より柔軟な人生設計をたてることができるようになります。

こうした中で打ち出されたのが、2009年2月24日に公布された国土交通省の長期優良住宅制度。同法のポイントは「長期優良住宅」を認定して、さまざまなインセンティブを与えることにより、その普及を促すもの。長期優良住宅に認定されれば、住宅ローン控除の割り増しや、投資減税制度による優遇措置を受けられる。

平成21年6月4日に法律が施行されました。認定は所管の行政庁でなされます。詳しくは長期優良住宅普及促進法をご覧ください。(090612)

サスティナブル住宅に必要な視点

「サスティナブル」は「持続可能な」と訳されていますが、「サスティナブル住宅」とは、地球環境の持続に欠かせない小環境負荷の住宅という意味に使われています。通常は、省エネ、高気密・高断熱、長寿命などの用をが満たされた住まい、と定義されています。

地球温暖化対策やCO2などの温暖化ガスの排出量削減が叫ばれている現在、「サスティバブル住宅」で定義される要素は、省エネ、断熱性能などの物理的な特性だけではなく、住まい方や豊かな社会を形成する上で住宅が果たす社会的な役割という視点がより重要に思います。

地域で世代を超えて長い間住み続ける仕組み、といった文化・社会的な要素をより大切にする住まい方を根づかせることが必要です。

東京大学教授の難波和彦氏が提唱する「建築の4層構造」のマトリクスは、サスティナブル・デザインの基礎になる考え方で大変示唆に富むものですのでこれを紹介します。再生可能=循環型社会を考える上で、わかり易く交通整理をしてくれる指標となります。

建築学の
領域
様相/建築を
見る視点
プログラム
デザイン条件
技術/問題
解決の手段
時間/歴史 サスティナブル
デザイン
第1層 材料/構法/
構造
物理的なモノ 材料/部品
構造/構法
生産/運搬
組立/施工
メンテナンス
耐久性
再利用
長寿命化
第2層 環境工学 エネルギー
制御装置
環境/気候
エネルギー
気候制御
機械電気設備
設備更新 省エネ
LCA
第3層 計画学 社会的な機能 用途/目的 平面/断面計画 機能変化
ライフスタイル
コンバーション
生活様式の変化
第4層 歴史/意匠学 意味のある記号 形態/空間
表象/記号
様式/幾何学
コード操作
街並み/記憶 リノベーション
保存と再生