空気清浄機 空気清浄機の種類と機能、方式を説明します

空気清浄機とは?

空気清浄機は、室内の空気中に浮遊する目に見えない細かい粒子やにおい(花粉、ハウスダスト等の粒子、ペットや調理時等のにおいなど)を取り除くものです。それまで、空気を清浄にするには換気によっていましたが、外気の汚染も無視できなくなってきたので、より能動的に空気中の汚染物質を取り除く必要がでてきたものです。

当初は公害などによる大気汚染物質の除去が主目的でしたが、1980年代からは社会問題化した花粉症対策が空気清浄機の普及に拍車をかけました。当初の製品には現在ではほとんど効果がないとされているイオン式の空気清浄機が多く出回り、あたかも他のフィルター式空気清浄機よりも集じん能力が高く、かつ室内の空気中のウイルスを有効に捕集する能力を有しているかのような誇大な宣伝合戦が繰り広げられ、公正取引委員会による排除命令が出されたこともある。

現在の主流はクリーンルームに使用されるHEPA(目の細かい不織布の高性能微粒子フィルター)を用いた高性能なファン式清浄機が一般化している。風量も大きくなり、花粉やハウスダストなど比較的重くて落ちやすい粒子に対しても集塵能力が発揮できるタイプのものが多く発売されている。

また、健康ブームや「抗菌」グッズの流行におされて、カビや雑菌、ウイルス、アレルギーの原因物質の除去・分解の機能をもつ高付加価値清浄機も発売されるようになり、市場を賑わしている。鳥インフルエンザSARS新型インフルエンザ流行の兆しもあり、高性能空気清浄機の需要は高い。

空気清浄機の方式

空気清浄機にはファイン式とイオン式があると説明されていたが、国民生活センターによるテスト等でイオン式はその能力が劣ることが明らかになっており、多くの家電メーカーはこの方式から撤退し、現在はほぼ100%がファン式となっている。静電集塵式といわれたイオン式は、ごく近くの微粒子しか捕獲できないので衰退した。比較的早く落下する微粒子には、全く効果がない。

そのため、空気清浄機の分類方式は、使用されているフィルタの種類や集塵方式、脱臭材、ファン方式、運転制御方式などで分類することが実用的。ファンは吸込みに適したシロッコファン(天井カセット式のエアコンに使用されるタイプのもの)が主流。微粒子の捕獲には、ファンの風量とフィルタの濾過(集塵)能力のバランスが大切。

機 能 方 式 方 式
 ファン  シロッコ  
 フィルタの種類  HEPA  ULPA
 集塵方式  フィルターによる濾過  プラズマによる電気集塵
 脱臭方式  活性炭  二酸化チタンなど光触媒
 除菌・分解機能  独自のイオン・プラズマ発生方式  紫外線ランプ

空気清浄機の選び方と正しい使い方

空気の浄化能力を示す清浄時間は、8畳相当の部屋で規定の粉塵(ふんじん)濃度=1.25mg/m3の汚れが基準値=0.15mg/m3以下になるまでの時間を表しています。適用床面積(目安)は規定の粉じん濃度の汚れを30分で清浄できる部屋(天井高2.4m)の広さで表しています。

空気清浄機の機能を判定する上で見極める必要のあるのポイントを説明します。

1.適応床面積:
空気清浄機の性能は、JEM1467という日本電機工業会で定める家庭用空気清浄機に関する性能規定(1回/時間の自然換気条件下で、粉じん濃度1.25mg/m3の汚染空気を0.15mg/m3にまで清浄できるまでの時間)に準拠しますが、大きくは風量とフィルタの能力によって決まります。比較的重たい粒子である花粉やハウスダストなどの除去が目的の場合は、床に落下する前に集塵する必要があるため、予算やサイズの問題がなければ部屋の広さの2倍の能力をもつものを選択するのがお薦め。又、連続した部屋に使用する場合は、全床面積をカバーする大型の空気清浄機を採用するよりも、各部屋ごとに一台ずつ設置するか、都度移動する方が効果的。

2.吸込み口の位置
吸い込み口が背面にある機種では、空気浄化能力を最大限に発揮させるには、壁から最低でも30cmは離して設置することが好ましい。花粉などの比較的重たい粒子を捉えるために、前面下部に吸い込み口を設けたものもあります。空気の取り込み口には、家具などで空気の循環が妨げられないように注意する必要がある。

3.風量と運転音:
運転モードによる風量調節が何段階あるかも選ぶポイント。多ければいいというものではありませんが、最大風量(m3/分)とその時の運転音(dB)を確認してください。

4.フィルタの材質と交換頻度:
ほとんどのメーカーが不織布タイプのHEPAを採用しています。各社で独自に集塵フィルタの寿命を長くする工夫をしていますので、カタログの数値比較をしてください。寿命によって、フィルタの交換頻度がきまり、ランニングコスト比較ができます。光触媒などで除菌・消臭機能を付加したものもあります。より目の細かいフィルタのULPAを採用する機種もありますが、汚染空気の取り入れ時の空気抵抗が大きくなり、風量の面でのマイナスの方が多いため最近は使用されていない模様。

5.塵埃除去能力:
空気清浄機のカタログには、「アレル物質」の除去能力という聞きなれない言葉が使用されていますが、これはアレルギーの原因物質である「アレルゲン」という言葉を使うと、医療効果を暗示するものとして薬事法に違反する恐れを避けるための造語。各メーカーは様々な物質を対象に実際の実験を行って、性能面でより根拠のある宣伝をしているが、逆に性能の判定を複雑にしてしまっている傾向がある。除去物質が何種類であろうと花粉は花粉。除去率のデータも、試験で採用した前提条件が明らかにされていないため、試験管の中での実験かそれとももっと大きな部屋の中での実証実験か、その現実性に疑問のあるものもある。

6.ウイルス/細菌/カビ除去能力:
集塵機構にある放電ワイヤ(針)から低温プラズマを発生させて、ウイルス表面に衝突させて、酸化分解・除菌・不活性化をするタイプの空気清浄機が発売されている。プラズマの放出方法には、(1)空気清浄機の本体内部のフィルタウイルスを取り込んでからプラズマ照射をする方式 (2)本体外部の気中にプラズマを放出して、部屋の中に浮遊するウイルスに衝突させる方式の二つがある。

前者の場合は、部屋全体の空気を取り込めるだけの風量と集塵(フィルタ)能力があるかどうか、後者は放出されるプラズマのウイルス等の除去能力=密度と衝突頻度と人体に及ぼす悪影響とのバランスがポイント。

7.加湿機能:
加湿機能を備えた空気清浄機もあるが、フィルタが湿るとカビなどの発生温床になりかねないため、加湿フィルタのこまめな洗浄など使い方には細心の注意が必要。防カビ機能のために不必要に防カビ剤を使えば本末転倒。加湿機能付きの機種では特に抗菌・防カビのしくみに注意してください。

参考記事:
090805 シャープ カビやウイルス除去の住宅用プラズマ発生装置開発
090924 ダイキン空気清浄機 「新型インフルエンザ」対策に有効

空気清浄機の詐欺商法にご注意ください:


工業会に所属していないメーカーの商品は、必ずしもこのJEM1467規格に沿った性能表示をしていないことがありますので、購入時には工業会に所属するメーカーの商品がどうかをお確かめください。「イオン式」や「アトピー/花粉症対策」と称して、法外な価格で販売する詐欺商法も横行しています。
 

ダイキン/シャープ/パナソニック比較表

メーカー ダイキン パナソニック シャープ シャープ
機種 うるおい光クリエール
MCK75K(ACK75K)
F-VXE65 KC-Y65 KC-Y45
フィルタ種類  プラズマン/静電集塵/光触媒 ハイブリッド/
ナノテク消臭
制菌HEPA 制菌HEPA
清浄風量(切替)m3/分 1.0/2.5/4.0/5.5/7.5(5) 1.0/2.8/6.5(3) 1.0/3.6/6.5(3) 0.8/2.8/4.5(3)
清浄時間(8畳) 10分 10分 10分 13分
 最大適用床面積  28畳 30畳  30畳 21畳 
 運転音(db)  17/26/36/43/50 18/35/54  14/38/52  13/39/49
除菌プラズマ方式 光速ストリーマ ナノイー プラズマクラスター プラズマクラスター
イオン放出方式 集塵/フィルタ照射 気中放出 気中放出 気中放出
除菌適用床面積 28畳 17畳 17畳 13畳
加湿機能(能力/時) 有(600ml/h) 有(600ml/h) 有(450ml/h) 有(400ml/h)
フィルタ乾燥 照射   自然乾燥 自然乾燥
消費電力(標準風量時) 18.0W 13W 20.0W 14.0W
電気代(円/時間) 0.40円 o.30円 0.44円 0.31円
サイズ(HxWxD/mm) 610x395x283 608x390x275 586x378x265 550x360x233
重量(kg) 12.0 10.0 9.2 8.0
 (091001)