住宅履歴情報の整備と蓄積 長期優良住宅促進事業や既存住宅流通活性化等事業に関連して

住宅履歴書とは

  1. 住宅履歴書とは、住宅の設計、施工、維持管理、権利及び資産に関する情報で、住宅の保有者が蓄積、活用してゆくためのものです。修繕やリフォーム等の記録も含まれます。これらの情報を適切に維持、保存することによって次代に継承することが可能となり、ひいては住宅の長寿命化を実現することにつながってゆきます。中古住宅として売買するときにも、売主/買主双方が安心・納得して取引できるだけでなく、住宅の資産価値が適切に評価されやすくなる効果を引き出します。
     
  2. 長期優良住宅の認定では「30年間にわたる維持保全計画の策定」が求められていますが、策定にあたってはめいめいの住宅会社の方針、環境条件、住宅の仕様に応じて項目や点検時期を決定することになっています。一般的な仕様の戸建て住宅を想定した標準的な維持保全計画の作成例を用意しましたので、適宜修正してご利用ください。

    戸建住宅用維持保全計画(案)ijikeikaku

     
  3. 長期優良住宅の認定で、法により義務付けされている「住宅建築の記録の作成及び保存」(住宅履歴書)は、施工業者の名前など新築時の情報や、点検・修繕など維持管理の記録をする台帳で、保存すべき関係書類(設計図書、建築確認書、性能評価書等)と一緒にまとめて補完することが求められています。履歴書と点検・修繕記録の記入例を参考までに用意しましたので、適宜修正してご利用ください。  

    住宅履歴書と点検・修繕の記録(案)rirekisho

     
  4. 普及促進事業で補助の要件にされている「2.住宅履歴情報の整備」は、平成19年度から「住宅履歴情報整備検討委員会」において、住宅履歴情報の蓄積・活用のあり方や基本的に蓄積すべき情報項目の内容、情報サービス機関に関する共通の仕組みや共通ルールのありかたと普及方策や電子データ化の手法についての検討が進められてきました。3年間に及ぶ検討の結果が公表されています。
     資料1    住宅履歴情報の蓄積・活用の指針
     資料2-1 同上(解説付)
     資料2-2  住宅履歴情報項目の解説
     資料2-3  住宅履歴情報の蓄積・活用に係る運用ツールについて
     
     詳しくは、検討委員会の検討結果をご覧ください。

住宅履歴情報整備と蓄積の手法

国土交通省の補助事業では、「長期優良住宅普及促進事業」や「既存住宅住宅流通活性化事業」など履歴情報の整備・蓄積・保管が条件とされているものがあります。

 1.長期優良住宅普及促進事業

平成22年度「木のいえ整備促進事業」(長期優良住宅普及促進事業)の手続きマニュアルによれば、この事業で要件とされているのは、
  (1) 整備される住宅履歴情報項目
  (2) 情報の長期保存のための対策を講じること
  (3) 対象住宅を特定するための唯一の共通IDを使用して情報管理すること
  (4) 上記(1)(2)(3)の他「情報サービス機関の基本ルール」に適合するための措置が講じられていることがあげられています。

対象住宅の引渡などで全事業が終了した後に提出する実績報告では、住宅履歴情報証明書の添付が必要となります。第3者である情報サービス機関に情報を預ける場合は、同機関の発行する「住宅情報預り証」を添付することになっています。

同事業の運営を担う「実施支援室」によれば、住宅の所有者が履歴情報を第3者機関に預けることについて同意を得られない、又は困難な場合は、住宅事業者が自社で情報の蓄積を行うことも可能とのことです。住宅履歴情報証明書の様式は自由ですので、支援室にご相談の上、自社で証明書を作成し、実績報告に添付してください。

問い合わせは:
長期優良住宅普及促進事業実施支援室
〒162-0825
東京都新宿区神楽坂一丁目15番地 神楽坂1丁目ビル6階
TEL:0570-050-792
URL:http://www.cyj-shien22.jp
 
2.既存住宅流通活性化等事業

平成22年4月に募集された既存住宅流通活性化等事業では、補助の要件に、
  (1) 保険法人が販売する瑕疵保険(既存住宅売買瑕疵保険又はリフォーム瑕疵保険)への加入
  (2) 住宅履歴情報の登録又は蓄積
があげられています。

(2)については、第3者機関に登録をする方法と自社で蓄積を行う方法を選択することができます。自社で蓄積を行う場合は、下記の内容を含む契約書(覚書)を住宅所有者との間で締結し、その写しを実績報告書に添付する住宅履歴情報登録証明書に追加して提出することになっています。

参考:国土交通省 報道発表資料 100414 平成22年度「既存住宅流通活性化等事業」の募集について

住宅履歴書と維持管理ソフトの「あんしん台録」

住宅の維持保全計画と住宅履歴書で保存・蓄積する住宅情報項目が決まれば、次は実行です。予め予定されたスケジュールに従って、維持保全や定期点検を実施するには住宅履歴情報の保存支援ソフトの「あんしん台録」などのデータベースソフトを導入して、入力したデータの検索・抽出作業や通知機能を応用してでスケジュール管理ができれば、確実で質の高い維持保全活動実現の鍵となります。ひいては、それが事業者の信頼向上と安心、そして資産としての住宅の価値を高めること=長期優良住宅の普及につながります。

このソフトウエアは、もともと住宅設備の長期延長保証サービス用に平成13年に自社で使用することを目的に開発・運用開始したものですが、平成21年6月に住宅履歴書の自社蓄積と定期点検などの維持管理作業を支援する目的でWeb対応版にしてダウンロード販売をスタートしたものです。

「あんしん台録」の情報登録機能を利用すれば、保存が必要とされる情報が簡単に登録できるだけでなく、定期点検のお知らせ機能も利用できます。(注意:図面や図書の電子文書化をするものではありません)

3ヶ月間の無料試用期間が付きでホームページから直接ダウンロードできますので安心。その後の利用は月々僅か3000円ですので大変お得です。

住宅履歴情報を第3者である住宅情報登録機関での登録を希望される場合は、住宅あんしん保証が提供する「あんしんいえかるて」をご利用ください。
 
お問合わはこちらからお願いします。アクセスはこちらをご覧ください。
今村産業株式会社 〒672-8057 姫路市飾磨区恵美酒414 TEL 079-234-1122 (担当 藤井)

住宅履歴書のある家の「資産評価」面でのメリット

  住宅性能・仕様と定期点検・維持管理 価格査定基準
1 新耐震基準適合 ▲5%
2 設計図書の保管 +1%
3 建築確認申請書と検査済証が保管 +1%
4 住宅性能評価書がある +1%
5 長期優良住宅認定 +20%
6 フラット35適合 +3%
7 省エネ設備や太陽光発電システム搭載 +3%
8 一定の定期補修・改修を実施 +10%~19%
9 長期優良住宅で定期補修を実施 +20%~30%

 出典:(財)不動産流通近代化センター 中古住宅の価格査定マニュアル(09年版)

英国版 住宅履歴書HIPについて

イギリスでは2007年8月より住宅(既存・新築)の取引に際して、売主から買主に「住宅履歴書」(HIP=Home Information Pack)の提出が段階的に義務化されています
 
英国では流通業者や検査会社に頼めば£700(約15万円)程度でHIPを作成してくれるようになりました。費用は通常売主が負担しているようです。

作成と提出が義務付けられた書類  HIP目録
 取引概要書(所有関係権利、登記等)
 登記証書
 地籍図
 省エネ性能書
 上下水道など標準的な検査報告書
添付が推奨されている書類  利用状況確認書
 住宅備品内容確認書(設備、家具、家電等)
 検査報告書
 保証書
 検査証等
        
『英国のHIP制度・住宅購入プロセスに関する調査 報告書』(2008.3)より
出典:不動産流通近代化センター VOL.1 VOL.2